フライトジャケット

【完全版】フライトジャケットの種類と特徴

A-2 フライトジャケット

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A-1ジャケットの後継として、1931年に陸軍航空隊により正式採用された夏季用フライトジャケット。
米空軍パイロットの象徴的アイテムとして長きにわたって愛されて来たA-2は、ファスナー式の前立てを初採用した事でこれまでのフライトジャケットから飛躍的に機能性を向上させ、飛行服の礎となったモデルだ。

台襟のついた(無しもある)大きな襟やパッチポケットが特徴的で、当初は馬革を使い贅沢に作られていた。その画期的なデザインは支給品の「軍服」であるにも関わらず、パイロット達に宝物の様に愛されたという。

プロパティ アメリカ陸軍航空隊
適応気温域 ライトゾーン(10℃〜30℃)
コントラクター ラフウェア社・エアロレザー社 etc…
マテリアル ホース・ カウ・ゴート

キングオブフライトジャケット

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A-2フライトジャケットは当時のパイロット達が心奪われた様に、現代でも多くのファンに愛されています。
ファッションの世界でフライトジャケットと言えばMA-1が人気・知名度ともにトップですが、フライトジャケットの世界で最もフィーチャーされているのはA-2と言って過言ではありません。

多くのファンを生み出す理由として、そのデザインやバックボーンも勿論ですが、コントラクターによる細かな仕様の違いがマニアを生み出す1つの由縁となっています。

戦時中数多くのコントラクター(軍と契約した業者)により納入された事で、軍から依頼された仕様書(ミルスペック)は共通であるにも関わらず、襟の大きさや形状が違っていたり、同じシールブラウンでも色味が全く違うなど、様々な変化が見られます。

このアメリカ的な大雑把さが結果的に、A-2の深みを増しマニアックなファンを生み出す事となりました。

L-2 (L-2A/L-2B)

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第二次世界大戦後の物資不足に影響され、入手と生産にコストのかかるレザーを廃し、フライトジャケットはコットンを経てナイロンへと姿を変えていった。朝鮮戦争時に実践投入されたL-2は、パイロットから絶大な支持を得ていたA-2の後継としてナイロン製フライトジャケットの到来を告げたモデルだ。

当初 陸軍航空隊に採用されたL-2だが、航空隊が空軍として独立した際にシンボルカラーのエアフォースブルーとなりL-2Aに進化する。しかし結局のところ、ブルーが目立ち過ぎるという事でセージグリーンを採用したL-2Bに落ちついた。

プロパティ アメリカ陸軍航空隊
適応気温域 ライトゾーン(10℃〜30℃)
コントラクター American pad & Textile co. etc…
マテリアル ナイロン

ビギナーにもおすすめのリーズナブルで着こなし易い1着

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夏季用に開発されたL-2は、肉厚なフライトジャケットに対して綿が入っていない為、気軽にサラリと羽織れる人気の高いフライトジャケットです。
価格も他のフライトジャケットに比べると手が出しやすく、はじめて買った本格的なフライトジャケットがL-2というファンも多いのではないでしょうか。

フライトジャケットに興味のない人からすれば、MA-1に間違えられる様なフォルムをしていますが、肩のエポレットやジッパー下の三角フラップ、蓋の付いたフラップポケットなど、全く別の一着となっています。

渋いオリーブドラブのL-2
鮮やかなブルーのL-2A
合わせやすいセージグリーンのL-2B

カラーも豊富でファッション的にも楽しめる為、はじめてにおすすめのフライトジャケットです。

CWU-36/P

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傑作A-2からナイロン製のL-2を経て、現在アメリカ軍で採用されているライトゾーンフライトジャケット。CWU-45/Pとほぼ同じデザインで、こちらもアラミド系の難燃性耐熱繊維「ノーメック」を使用しているが、夏季用のため中綿は入っていない。

プロパティ アメリカ軍
適応気温域 ライトゾーン(10℃〜30℃)
コントラクター ALPHA INDUSTRY etc…
マテリアル ナイロン

G-1フライトジャケット

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陸軍にA-2があるように、海軍にもG-1という特別なフライトジャケットが存在する。常に陸軍とライバル関係であった海軍はA-2に対抗して、G-1の祖先 M-442を開発する。

動き易い背面のアクションプリーツや襟のボアなど、特徴的なデザインはこの時から一貫して踏襲されているが、これにG-1の名を冠するのはM-442が登場してから10年後の1950年「G-1 SPEC.55J14」からである。

プロパティ アメリカ海軍
適応気温域 インターミディエイトゾーン(−10℃〜10℃)
コントラクター L.W. Foster Sportswear社 etc…
マテリアル ゴート・カウ

B-6

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夏季用のライトゾーンと極寒冷地用のヘビーゾーンの中間を埋める「インターミディエイトゾーン」として初採用されたのがB-6。

ムートンとシープスキンを使用したフォルムはB-3によく似ているがディティールは大きく異なっており、狭い機内での運動性が求められたB-6では毛足が短く刈り込まれ、軽量化と動き易さを両立している。

プロパティ アメリカ陸軍航空隊
適応気温域 インターミディエイトゾーン(−10℃〜10℃)
コントラクター ラフウェア社 etc…
マテリアル シープスキン

B-10

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原料である皮革の枯渇により、レザーからナイロンへ切り替わっていく過渡期に誕生したコットン製フライトジャケット。

大量生産が可能なコットンツイルをメインに、内側にはアルパカウールを使用。B-6に負けない保温性と動き易さを実現した。しかし製造期間は短く1年程でB15シリーズに移行していく。

プロパティ アメリカ陸軍航空隊
適応気温域 インターミディエイトゾーン(−10℃〜10℃)
コントラクター SUPERIOR TOGS CORP etc…
マテリアル コットンツイル

B-15

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MA-1へと続く現代フライトジャケットの礎を築いたB-15シリーズ。
様々なマイナーチェンジを繰り返す事でA〜Dタイプまで存在し、中でも写真のB-15Bはそれまでのレザーやコットンから近代飛行服のスタンダードとなるナイロン素材を採用したモデルだ。

プロパティ アメリカ陸軍航空隊
適応気温域 インターミディエイトゾーン(−10℃〜10℃)
コントラクター ARNOFF MFG.CO. etc…
マテリアル コットン→ナイロン

MA-1

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フライトジャケットの中で最もポピュラーなMA-1は、マニアックな知識はなくとも名前だけなら誰もが聞いた事があろう傑作モデル。

1957年にB-15シリーズの後継としてアメリカ空軍で採用されて以来、その高い完成度により長期間採用&製造されていたため最も多くの個体が出回っている飛行服でもある。ファッションアイコンとしても世界的に人気が高く、日本では80年代に爆発的ブームを巻き起こした。

プロパティ アメリカ空軍
適応気温域 インターミディエイトゾーン(−10℃〜10℃)
コントラクター ブルーアンカー社 アルファ・インダストリーズ etc…
マテリアル ナイロン

CWU-45/P

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傑作MA-1の後継として登場したCWU-45/Pは、陸海空軍に加え海兵隊も使用する、最先端のインターミディエイト・フライトジャケット。
デュポン社が開発した難燃性素材「ノーメックス」を採用し、防寒性の高い肉厚ナイロンや中綿入りのキルティング地など、機能美に溢れたモデルになっている。

プロパティ アメリカ軍
適応気温域 インターミディエイトゾーン(−10℃〜10℃)
コントラクター アルファ・インダストリーズ etc…
マテリアル ナイロン

B-2

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第一次大戦終結後。アメリカはフライトジャケットの研究開発を目的に、航空衣料委員会を設置した。しかしそれを持ってしても、極寒から兵士を守るヘビーゾーンの制作は難航を極めていた。

そんな背景のなか1931年に登場したB-2は、それまでのカバーオール(つなぎ)から単体のジャケットに切り替えた初のモデルだ。B-2という名前からも分かるように、後に傑作B-3へと進化を遂げる。

プロパティ アメリカ陸軍航空隊
適応気温域 ヘビーゾーン(−30℃〜−10℃)
マテリアル ホースハイド

B-3フライトジャケット

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爆撃機のパイロット達を襲うのは対空砲火だけではない。高高度で戦う彼等のフライトジャケットは、いかにして極寒の空から身を守るかを第一にして作られている。

B-2の後継として1934年に採用されたB-3は、羊革を用いたシープシェアリングという新しい概念を取り入れ、類稀なる防寒性を実現した傑作フライトジャケットだ。シープスキンをメインに補強のため各所に馬革を使用しており、その突出したデザインは数あるフライトジャケットの中でも独特の存在感を放っている。

プロパティ アメリカ陸軍航空隊
適応気温域 ヘビーゾーン(−30℃〜−10℃)
コントラクター ラフウェア社 etc…
マテリアル シープスキン&ホースハイド

N-3

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寒冷地での機能性を追求し類稀なる防寒性を手に入れたN-3は、その完成度から多くの衣料品に影響を与えたモデルである。

事実コントラクターは軍にN-3を納める一方で、民間用にも流通させていた程だ。大型フードにコヨーテファーなど、N-2と似た特徴を持つが、パイロット用がN-2 搭乗員がN-3と区別されていた。これも爆撃機ならではの進化の分岐である。

プロパティ アメリカ陸軍航空隊→空軍
適応気温域 ヘビーゾーン(−30℃〜−10℃)
マテリアル ナイロン

N-2(N-2A/N-2B)

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B-2から始まったヘビーゾーンの飛行服は、傑作B-3を経てN-3で円熟の域へ突入する。しかし丈の長いN-3は狭いコクピットでは窮屈であり、その問題を解消するため丈の短いN-2が登場。

1945年に初採用され、ヘルメットを被ったまま着用できる大型のフードには特徴的なコヨーテファーをあしらっている。航空隊の空軍独立に伴いエアフォースブルーのN-2A、セージグリーンとなったN-2Bへと変化を遂げた。

プロパティ アメリカ陸軍航空隊→空軍
適応気温域 ヘビーゾーン(−30℃〜−10℃)
マテリアル ナイロン