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【完全版】レザーの種類と特徴!鞣し方や仕上げによる違い

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「革だから伸びる」「革は水に弱い」

レザーにはたくさんの種類と特徴があり、一概にそうとも言えません。

今回は様々な要素で変化するレザーの特徴をレザーと種類と加工方法を含めて紹介します。

鞣しとは?皮と革の違い

動物から剥ぎ取った皮は、放っておけばモチロン腐ってしまいます。

それを科学的な処理で腐らなくさせるのが「鞣し」という工程です。

この鞣しを経て生ものであった「皮」は強く腐りにくい製品としての「革」に変化します。

そして鞣し方にも代表的なものが数種類あり、どの様な革になるかは「鞣し方」によって決まって行きます。

鞣しの種類 一覧

渋鞣し(ベジタブルタンニン鞣し)

渋鞣しは古くから伝わる伝統的な鞣し方で、植物樹皮から抽出した渋液(タンニン)で鞣す方法。

軽くてしなやかなクローム鞣しとは正反対の特徴を持ち、ズッシリと重く拘束具の様にかたい。しかし、長年使い込む事で独自の風合いとフィット感を楽しむ事が出来る鞣し方。

ただし、適度なメンテナンスや管理が必要な上、鞣しに手間と時間がかかるので製品自体は高額になります。

・ハリとコシがある質感
・経年変化を楽しめる
・メンテ次第で一生モノ

クローム鞣し

現在最もポピュラーなクローム鞣しは、主成分の硫酸クロムを使って科学的に鞣す方法。

特徴は軽くて伸縮性があり、耐水性に富んでいる事。そしてなによりタンニンと比べ生産が容易なので製品自体の価格を抑える事が出来ます。

ただし、タンニン鞣しの様な劇的な経年変化は期待出来ず、「革だからその内伸びる」という現象もクロムでは起き辛いのでサイズ選びは要注意。

・手頃なお値段
・軽くてしなやか
・耐水性に優れる

コンビネーション鞣し

クロームで鞣した革に渋液を投入するコンビネーション鞣し、混合鞣しとも呼ばれます。

それぞれの長所を合わせた画期的な鞣し方ですが、メーカーによって殆どクロムと変わらない様な革もあれば、タフネスさと風合いを兼ね備えた完成度の高い革まであります。

アルデヒド鞣し

処理する際に有害物質を発生させてしまうクロムを使用せず、環境に優しい鞣し方として近年注目を集める鞣し方です。

クロム以上の柔らかな革に仕上がりますが、コスト・生産性がクロムに劣る為まだまだポピュラーではありません。

革(レザー)の種類一覧

牛革(カウレザー)

様々な衣料品に使用されるレザーの代表格が牛革(カウレザー)です。

種類が豊富で、性別や成長具合によりそれぞれ特徴や価値が変わってきます。

カーフスキン


生後6ヶ月以内の子牛の革で作られるカーフは、薄くてキメ細かい高級素材です。

更に生後3ヶ月以内の子牛の革はベビーカーフと呼ばれ、最高級素材となっています。

キップスキン


生後1年以内の牛の革で、カーフスキンに次いで上質な革とされています。

カーフほどのキメ細やかさは無いものの、少し厚くなっているので強度はキップが勝ります。適度な強度と美しさを持つレザーです。

カウハイド

生後2年以上経過した出産経験のあるメス牛の革。オスよりも薄く柔らかなのが特徴で、ブライドルレザーなどに利用されます。

ステアハイド


生後2年以上の去勢された雄から採れるのがステアハイドです。

食肉用の牛から副産物として採られることが多い為、牛革の中で最も一般的なレザーです。

ブルハイド


去勢されたステアハイドに対して、ブルハイドは去勢していない3歳以上の雄牛の革です。

闘争本能剥き出しなので争いで受けた傷などが多く、ラグジュアリーな高級品には使用されません。しかし、厚くて丈夫な革は耐久性が富んでいる為、質実剛健なタフネスギアに使われています。

バッファローハイド


表面上の独特のシボが特徴的なバッファローハイド=水牛の革です。

丈夫で柔らかく加工がしやすい為、様々な製品に利用されます。

更に比較的水にも強い優秀なレザーなのですが、中東製の安価な革ジャンに利用される事が多いので「安モノ」のイメージが払拭出来ずにいる不遇のレザーです。

馬革(ホースハイド)

薄くて柔らかな特徴を持つホースレザーは、その上品さからジャケットや財布などに利用される人気のレザーです。

コードバン


馬のお尻から採れるコードバンは、その希少性と質の高さからレザーの中でも非常に高価な高級品。

他に類を見ない美しい光沢が特徴で、主に財布やキーケースなどの小物に利用される。ただし水にはとても弱い。

豚革(ピッグスキン)


耐摩耗性と通気性に優れた豚革は、牛革に次いで多くの製品に使用されています。

日本国内では唯一 自給自足出来ているレザーで、数少ない輸出品として海外でも人気です。

ピッグスエード


毛穴が目立ってしまう豚革にスウェード加工を施したピッグスエードは、手袋や小物に利用される人気のレザー。

アメ豚


タンニンで鞣した豚革に摩擦加工を施したアメ豚は、滑らかな肌触りと光沢を持った高級品。そのキメ細かさはカーフスキンに匹敵します。

ヤギ革(ゴートスキン)


無骨なシボが特徴的なゴートスキンは、傷などに強く、水や湿気にも高い耐久性を持つタフネスレザー。

その為、グローブやフライトジャケットなど過酷な環境で使用される製品に採用されます。

因みに子ヤギの革をキッドスキン呼び、ゴートよりキメ細やかで柔らかい。

ひつじ革(シープスキン)

デッドエアを多く持つシープスキンは防寒能力が非常に高いレザー。薄くて柔らかいですが強度が弱いです。

英語表記がシープスキン、フランス語表記でムートンと呼ばれ、意味は同じですがモコモコ毛皮が付いた物をムートンと区別されています。

動かない空気のこと。外気に触れない空間を作る事で保温性が増し、防寒対策で重要になる。布団やコタツをイメージすると分かりやすい。

シカ革(ディアスキン)


なめらかな質感と抜群の通気性を持つシカ革は、古来より武具などに使用されてきた革です。

現代でも衣料品や小物に利用される他、その特性を活かしてメガネや洗車用のクロスとしてセーム革の名前で愛されています。

ダチョウ(オーストリッチ)


スペシャルレザーとして高級品に使用されるオーストリッチ。

毛穴によりポツポツとした模様が特徴的で、ラグジュアリーな財布やバッグなどに利用されます。

ヘビ革(パイソン)


ワニ革に並ぶエキゾチックレザー(爬虫類革)の代表格。特徴は何と言っても独特の鱗模様で、ヘビの種類はもちろん個体ごとに違う場合もあります。

因みに小さなヘビの場合「スネーク」と呼ばれ、パイソンは中〜大型のヘビを指しています。

ワニ革

高級レザーの中でも独自の地位を確立するワニ革には「クロコダイル・アリゲーター・カイマン」と、大きく分けて3種類あります。

いずれも鞣しや加工によりますが、哺乳類とは比較にならない高い強度を持っています。

リザード革


リザード=トカゲ革は、ワニ革やヘビ革と並ぶ人気のエキゾチックレザー。

その特徴は、きめ細やかで美しいウロコ模様と傷や擦れに強い耐久性。

丈夫で薄くて軽い事から、財布やバッグに使用されます。

加工・フィニッシュ(仕上げ)の種類

オイルレザー


鞣しなどの加工段階でたっぷりとオイルを含ませた仕上げ方。オイルドレザーとも呼ぶ。頬ズリしたくなる様なソフトで滑らかな肌触りとなる。

ガラスレザー


エナメルの様な光沢のガラスレザーは、合成塗料などを使い表面を均一に美しく仕上げます。この際、傷や汚れを隠せる事から比較的リーズナブルです。

耐水性が非常に高く手入れも殆ど必要ありませんが、その代償に経年変化は期待出来ず、通気性も無いのでブーツの場合は長靴の様に蒸れてしまいます。

エナメルレザー


ウレタン樹脂などで塗装→乾燥を繰り返し光沢のある皮膜で仕上げたレザー。

ガラス加工と同様に、水や汚れに強く、革本来のポテンシャルを楽しむというよりドレスアップの要素が強い。

シュリンクレザー

薬品を使って人工的にシボを作り出した加工。革を収縮(シュリンク)させる事で柔らかく、傷も目立ち難くなる。

ブライドルレザー


美しい光沢と堅牢さを併せ持つブライドルレザーは、タンニンで鞣したカウハイドに蜜や蝋を長期間染み込ませた革です。防水では無いものの、油分を多く含むのでレザーの中では水に強い方。

ヌメ革


通常 鞣しの後には染色や加工が施されますが、ヌメ革は植物タンニン鞣しを施しただけの「プレーン」な状態のレザーです。

皺や変色などがダイレクトに現れるのが特徴的で、とにかく経年変化を楽しみたい!という方におすすめです。

銀付き革


銀面(皮の表皮)をそのまま使用している革。傷や汚れの無い高級な革しか使用出来ないので、革本来の風合いを楽しめる反面 製品自体の価格は高い。

スエード

革の裏面を摩擦し、起毛させる加工法方。毛足は細かく短いものが良質とされ、高級品はシルキースエードと呼ばれる。

ヌバック


革の裏面を起毛させるスエードに対し、ヌバックは革の表面を起毛させる加工法方。繊細でキメ細やかに仕上がる為、上品な婦人靴などによく見られる。

型押し


高温圧プレスで銀面に凸凹を付ける加工方法。凸凹のパターンは様々ですが、エキゾチックレザー風に仕上げる事が多く、その完成度は見た目だけでは分からない物も多い。

ABOUT ME
ジャミング
ミリタリー・タバコマニアの元バイク屋。WWⅡとフライトジャケットが得意分野。タバコはキセルをメインに時折パイプも嗜みます。