B-15フライトジャケットの歴史
1944年4月 近代フライトジャケットの礎となるモデル B-15が登場しました。時期にして第二次世界大戦終結直前の事です。
1940年代は陸軍航空隊の独立による空軍の誕生、そしてジェットエンジンの開発により航空機はレシプロ機からジェット機へと進化します。
目まぐるしく移り変わる時代に対応すべく、B-15には数多くの改良が施され、それ故に幾多のバリエーションが生まれる事となりました。
そして後にB-15は傑作フライトジャケット「MA-1」へと姿を変えていきます。
B-15シリーズ 年代別の種類
B-15にはA〜Dまで数々のモデルが存在し、コレらのバリエーションはまとめて「B-15シリーズ」と呼ばれています。
ここでは時代と共に変化を遂げたB-15の各モデルを紹介。
B-15
B-15シリーズの原点。わずか9ヶ月前に登場した前身「B-10」に、着やすさと機能性に改良を加えて登場。オリーブドラブのギャバジンにライニングはアルパカウールを使用するなど、素材自体はB-10と同じ。防風性を高める右側オフセットのファスナーが特徴的。
B-15A
B-15の採用からわずか7ヶ月後、早くも改良版であるB-15Aが登場。酸素マスクのホースを固定する為の三角形の革製タブが特徴的で、多岐に渡るシリーズの中でも比較的判別し易い。また、両脇にも機内通信ワイヤー固定タブが追加され、これはMA-1まで受け継がれる事になる。
B-15B
1945年に登場したB-15シリーズ初のナイロン採用モデル。これまでのコットン素材から大きく変化を遂げ、インナーもアルパカではなくウールパイルをレーヨンで挟み込む方法が採られた。また、左胸には革製のオキシジェンタブが加えられ徐々にMA-1のシルエットに。
B-15C
1947年に陸軍航空隊は空軍として独立。この際フライトジャケットには空軍独立の誇りを込めたシンボルカラー「エアフォースブルー」を採用。N-2AやL-2A同様、B-15Cも鮮やかで深みのある紺色となったが、エアフォースブルーが適用される前のオリーブドラブ色も存在する。加えてこのモデルからジッパーはオフセットからセンターへと移動された。
マリリン・モンロー
1954年、朝鮮半島にいる米軍兵士を慰問の為に訪れたマリリン・モンローは、鮮やかなエアフォースブルーのB-15Cを羽織って登場。世界一ゴージャスに、そしてセクシーにフライトジャケットを着こなした。
B-15D
空軍のアイデンティティとして採用したエアフォースブルーだったが、戦場で目立ち過ぎてしまうと言う誰もが心に秘めていた理由から1950年代中期、カラーをセージグリーンに変更したB-15Dが登場。ムートン襟がボディと同色のグリーンに染められている。
B-15 MODとは?
多岐に渡るB-15シリーズを更に複雑に、分かり難くしているのが「MOD(モディファイド)」と呼ばれるものです。
B-15シリーズはB-15からはじまりA・B・C・Dと基本的に5タイプあります。これら全てにムートン襟が装備されていますが、MODはこのムートン襟をニット襟に変更したモデルのこと。
このムートン襟の排除はコクピット内での動きにくさや、大型化したヘルメットの妨げとなるのを解消するために行われ、オリジナルのB-15を除いたA〜Dタイプの全てにMODが存在します。
B-15のおすすめコーデ
フライトジャケット全般に言える事ですが、中でもB-15シリーズはコーディネートを間違えると一瞬で「作業着ジャンパー」になってしまう危険なアイテム。
ここではそんなB-15を敢えて選ぶマニアックな方に向けた、王道パターンを紹介します。
B-15&アメカジ
出典:blog.livedoor.jp
フライトジャケット永遠の友 アメカジスタイルはやはり大定番です。ジーンズのペインターにカジュアルなTシャツがグッド。
B-15&綺麗目
出典:wear.jp/sp
ネルシャツ&ジーンズの基本的なアメカジスタイルにベストを加えて小綺麗にまとめたスタイルです。B-15がワイルドなのでいい塩梅を醸しています。
B-15&ワーク
出典:deskgram.net
こちらもフライトジャケットと親和性の高いワークスタイルコーデ。ペインターパンツにストライプのベストが良いアクセントになっています。
B-15の暖かさ。バイクでの使用は?
摂氏−10〜10度の気温域で活用される「インターミディエイトゾーン」にはB-6やMA-1、CWU45Pなど保温性に優れたフライトジャケットが揃っています。
そこに属するB-15もちょっと一枚羽織りたい時から本格的な寒さにまで対応する懐の深いジャケットです。
B-15シリーズはどれも暖かいので好きなモデルを選んで欲しいのですが、アルパカウールのB-15・B-15Aはインナーに毛が付着するので要注意。
そして、バイクで使用する場合はジッパーが右側オフセットのB-15・B-15A・B-15Bから選ぶのがおすすめです。
街を歩く程度なら全く関係ないのですが、冬場バイクに乗り極寒に身を晒すライダーにとってオフセットジッパーの防寒性は捨て置けません。
風の侵入を真正面から逸らす事ができるので想像以上に効果を発揮するのです。
とは言えストレス無くB-15を楽しむなら真冬はインナーの調節が必須。
B-15 おすすめブランド
アルファ
MA-1のコントラクターとしても有名かアルファのB-15。タイトスタイルで現代的に落とし込んだ事でスタイリッシュに着こなす事が出来ます。カラーはB-15Dを彷彿とさせる襟元とボディが同色のグリーンと、B-15Cのエアフォースタイプから選べます。
バズリクソンズ
忠実なレプリカで人気を集めるバズリクソンズのB-15C。中でもごく僅かながら存在していたオリーブドラブ色を復刻し、パッチはジェット機の到来告げる近代的なデザインになっています。
セスラー
抜群のコスパが魅力的なセスラーのB-15A。コットン生地のクラシカルなシェルと襟ボアのムートン、マニアックなモデルをお手頃価格で楽しめます。